本来、環境アセスメント(環境影響評価)とは、事業者が発電所などの大規模な開発事業を行う際に、事業を実施するにあたって環境にどのような影響を及ぼすかを自ら調査、予測、評価し、その結果を公表して国民、地方公共団体から意見を聴き、環境保全の観点から総合的かつ計画的により望ましい事業計画へと修正させるための制度です。しかし、住民への説明会を実施はするものの参加が難しい曜日や時間帯に開催し、十分な質疑応答もせず、意見募集で多数の意見が出されても計画を見直すことなく強行することが横行しており、国民や市民団体からの意見を反映させる機会であるはずのプロセスが形骸化しています。事業計画に対しては環境アセスメントの文書の閲覧および意見募集(パブリックコメント)が唯一、市民が計画に対して修正を求められる機会です。事業者の強硬な態度に屈せず、できる限りこのプロセスで意見を述べ、事業計画の問題点を追及していくことが必要です。

現在GENESIS松島計画の環境アセスメントは、J-POWER(電源開発株式会社)が環境影響評価準備書の縦覧に向けた準備を進めています。

J-POWERによる環境影響評価準備書の縦覧および意見募集が開始され次第、本ページにて意見送付方法のご案内および意見提出の代行に関する情報提供を行います。

GENESIS松島計画の環境アセスメントの状況

GENESIS松島計画の環境アセスメントをめぐるこれまでの動き

 日付              活動内容
2021年
4月16日   
J-PowerがGENESIS松島計画の環境影響評価実施に向けた準備開始を発表
9月28日J-Powerが「GENESIS松島計画 計画段階環境配慮書」の送付及び縦覧の開始を発表
10月15日GENESIS松島計画 計画段階環境配慮書への意見提出の呼びかけを開始
10月29日呼びかけに応じて最終的には855件の意見が寄せられ、J-Powerに提出される。
11月12日長崎県が知事意見を公表 (第58回長崎県環境影響評価審査会の知事意見を参照)
12月9日環境省の環境大臣意見提出にあたってのプレスリリース(気候ネットワーク)
12月16日環境省がGENESIS松島計画 計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に対して提出
環境大臣意見に対するプレスリリース(気候ネットワーク)
12月24日経済産業省がGENESIS松島計画 計画段階環境配慮書に対する経済産業大臣意見を公表
2022年
1月28日
経済産業大臣意見に対するプレスリリース(気候ネットワーク)
8月30日J-POWERが「GENESIS松島計画 環境影響評価方法書」の送付及び縦覧の開始を発表(方法書はこちらに掲載)
10月3日「GENESIS松島計画 環境影響評価方法書」の縦覧が終了。
様々な団体の呼びかけ( 123)に応じて3,570件の意見が市民からJ-Powerに提出される。
12月22日長崎県が知事意見を公表(第62回長崎県環境影響評価審査会の知事意見を参照)
2023年
2月24日
経済産業省がGENESIS松島計画 環境影響評価方法書に対する経済産業大臣通知を公表
2月25日GENESIS松島計画 環境影響評価方法書に対する意見提出結果について
10月31日J-POWERが2024年度末での松島火力発電所1号機の廃止、2号機の休止、そしてGENESIS松島計画の2年延期を発表