このページではGENESIS松島計画に関する質問にお答えしていきます。(随時更新予定)
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現在のGENESIS松島計画の状況は?
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現在はJ-Powerによって環境影響評価方法書に基づき、現況調査・予測・評価の実施や、環境影響評価準備書の作成が行われています。(下図参照)
J-Powerとしては2026年に建設工事を開始し、2028年度に運転を開始することを予定しています。(2024年12月現在)
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GENESIS松島計画ってどんな計画なの?
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現在、長崎県西海市の松島火力発電所では、運転年数が40 年以上にもなる旧式で発電効率の低い石炭火力発電設備2 機が稼働中です(1 号機(50 万kW):1981 年1 月運転開始、2 号機(50 万kW): 同年6月運転開始)。
「GENESIS 松島計画」は松島火力発電所を所有する電源開発株式会社(J-Power)が、松島火力発電所の2 号機に石炭をガス化する発電設備を付け加え、効率をわずかながら改善することで、今後も使い続けようとする計画です。将来的にはアンモニア混焼や石炭由来の水素製造、発電に伴う排ガスからCO2 を分離回収し、他の地域に運搬してそれを利用したり、地下に埋める、炭素回収・利用・貯留(CCUS)の拠点の一つとなることも検討されています。現在はJ-Power によるこの計画の環境影響評価(環境アセスメント)の手続きが進んでいます。
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GENESIS松島計画がなぜ問題なの?
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①たくさんのCO2 を排出し、地球温暖化を加速
気候危機が深刻さを増しており、地球の平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5℃以内に抑えて、より危険な気候となることを回避することが求められています。世界の国々は2050 年カーボンニュートラル社会を実現することが求められています。そのため、先進国である日本は、2030 年までに石炭火力発電を廃止していくこと(フェーズアウト)が必要です。石炭火力発電は、火力発電所のなかで最も多くのCO2 を排出するエネルギー源です。その発電量あたりのCO2排出量は天然ガスの約2倍です。そして、日本の発電部門における最大の温室効果ガス排出源です。②老朽化した発電所を延命し、将来にわたってCO2 を排出
松島石炭火力発電所はフル稼働すれば、年間600万トン程度のCO2 を排出すると考えられますが、これは長崎県の年間排出量783.9 万トン(2018 年度※間接排出量)の約4 分の3 に相当する莫大な量です。そしてGENESIS 松島計画は実施されても大きな排出削減にはつながりません。長崎県では2050 年までに温室効果ガスの排出をゼロにするというカーボンニュートラル宣言が発信されています。それにもかかわらず、稼働開始から40 年以上も経過する老朽化した発電所からこれだけの排出を継続することは長崎県全体の取り組みに水を差すことになり問題です。
③大気汚染対策の設備が不十分で、健康への影響も心配
燃料となる石炭は、様々な汚染物質を含んでおり、燃焼させることで、窒素酸化物などの大気汚染物質を排出します。これらは、ぜんそくなどの呼吸器疾患に影響します。また、PM2.5 の生成にもつながり、空気が汚染されます。
松島火力発電所は旧式のため、他の石炭火力発電所と比べても大気汚染物質の排出濃度が高く、環境対策が不十分です。これは化石燃料を燃やす火力発電所特有の問題です。
J-Power はGENESIS 松島計画により、排出濃度を軽減させるとしていますが、それでも他の発電所より大きく劣った数値となっています。出典:GENESIS松島計画 計画段階配慮書P.15 、神戸製鋼所・神戸発電所3‐4号機準備書P.30、
電源開発・ANNUAL REPORT 2009より気候ネットワーク作成④再生可能エネルギーの導入の足かせに
脱炭素社会の実現、脱石炭火力が国際的に要請されている今、気候変動を加速する石炭火力ではなく、太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入を積極的に進めていく社会をつくっていかなければなりません。九州電力管内では、下表のように再生可能エネルギーだけで電力需要を上回る発電する時間帯が増え、太陽光や風力の出力制御が行われています。つまり、火力発電所を延命させることは、地域の再生可能エネルギーの足かせやブレーキとなりかねません。J-Power は、事業を実施しない案や電力システムの柔軟な運用についても案を示して検討するべきでしょう。